【クライミングシューズ分解】スポルティバ オクシジムを分解してみた
スポルティバのオクシジムを手に入れました。
水洗いできるシューズがどういう構造か気になったので、分解してみました。
シューズの紹介
足の固定は、紐の締め具合を調節して、2カ所あるベルクロで止めます。
多くの人にフィットさせ易いように作られています。
裏から見るとセパレートタイプになっています。ソールが減った場合、前半分だけ交換できるのは作業性が良さそうです。
ジム向けのレンタルシューズとしては、定番の作りと言った感じです。
しっかりしたシャンクと、厚めのゴムのためかなり硬いです。足の締め付け感は強くなく、サイズを間違えなければ痛くなりにくいでしょう。
カツンと当たる感覚のあるの硬い靴底で、足裏、つま先の感覚はかなり鈍いです。立ちこむのは難しい感じでしたが、ジムのホールドならば大半は立てました。スメアはイマイチです。
水洗いOK! washableの文字が見ます。
ソール
セパレートタイプです。つま先側のソールから剥がします。
シャンクが見えてきます。
ゴムパーツ
土踏まずのゴムと、踵のゴムを剥がします。
ゴムのパーツは5つでした。かかとは1枚のゴムに切り込みを入れて作っています。
かかとのクッションなのか、赤いスポンジがゴムとシャンクの間に入っています。
シャンク(芯材)
シャンクも剥がします。
シャンクは硬い繊維強化樹脂の板です。縦方向に樹脂の繊維が向いていて、縦の引張や曲げに特に強そうです。ホールドを踏んだ時、シャンクが当たるのが分かるのに納得できる剛性感です。
アッパーの生地
アッパーは同じ素材でできていて、外側の化繊の織物と、ライニングのマイクロファイバーで、クッション性のある生地をはさみこんでいます。
すべて化繊でできている様子で、クッション生地も薄いので水抜けが良さそうです。
3層構造です。
全部分解しました。
アッパー生地は、ベロも含めて5枚の生地を縫い合わせています。足裏の真ん中で生地が分かれますが、平面上ではぴったり重なりません。立体裁断になっています。
つま先の親指部分とかかとにも切り込みが入り、立体的に縫い合わせられるようになっています。
アッパーは、生地は違いますが、上位モデルのレザーと同様よくできています。
水洗いできる理由の予想
・乾きやすい生地を使用している
乾きやすいのは大事ですね。
特に、普通のシューズは足裏のレザーとソールの間に水が入り込むと、全然抜けないと思います。オクシジムはその点よくできています。
・シャンクが紙ではなく、繊維強化樹脂
シャンクが紙だと水洗いしてはダメ、というのはよく知られていますね。
オクシジムはその点考慮されています。
・レザーを使っていない
レザーは水を吸うと伸びたり、乾かし方によっては縮みすぎたりします。型くずれの原因にもなります。
オクシジムはレザーを使用していないので、その心配はありません。
オクシジム分解から考えるクライミングシューズの水洗いについて
シャンクが紙だと、水洗いしない方が良いのはすぐに分かると思います。
レザーが使われていると、型くずれの恐れがあるので、メーカーは水洗いOKとは宣言できないでしょう。
また、アッパーとゴムの間に水が入り込むと、乾くのに時間がかかりそうです。衛生面も考えると、アッパー生地は水抜けの良い化繊素材が望ましいです。
樹脂シャンクで、アッパーが全て人工皮革のものは洗ってもダメージが少なそうですが、オクシジムと比べると、しっかり乾かさないと臭いの原因になりそうです。
クライミングシューズの丸洗いをするのは、できるだけさけた方が良さそうですね。