クライミングのムーブ、保持力、パワー、足置きなどのバランスについて【ボルダリング ムーブ トレーニング】
クライミングのどのレベルでも、ムーブ、保持力、体の筋力など、もっとこう動けたら良いのに!とか、あの人は自分と得意分野が違ってうらやましい!と思うことがあるはずです。
最近、自分と周りの人のムーブの選び方等を見ていて気づいた事を書きます。
ある程度、自分のムーブが安定してきた人向けです。
保持力とムーブと省エネのバランス
ちょっと当たり前ですけど、以下のような関係があると思います。
- 同じ持ち方でも、保持力があると選択できるムーブが広がる。
- ムーブを工夫すると、保持の負担を減らすことができる。
- ムーブを工夫すると、省エネで登ることができる。
ここで注意が要るのは、保持の負担を減らすムーブが、必ずしも省エネとは限らない事です。
悪いホールドを持てるから省エネできているケースや、少し無理な姿勢で(前腕以外のパワーを使って)保持の負担を軽くするケースがあり得ると思います。
確実性と省エネのバランス
静的ムーブと動的ムーブは、確実性と直結しやすい話ですが、それだけだと安易ですよね。
- 動的ムーブでさっさと登ると省エネの場合がある。
- 静的ムーブでしっかり荷重コントロールをしたほうが省エネの場合がある。
- 静的ムーブでじっくり登らないと失敗しやすい場合がある。
- 悪すぎるホールドは、動的ムーブでさばいた方が確実性が増す場合がある。
これもケースバイケースですよね。確実なムーブが省エネとは限りませんし。
いつもバタバタしているのもどうかと思いますが、動的ムーブを極端に嫌うのももったいないと思います。
外岩をメインとするかどうか、リードとボルダーどちらがメインかでも、選択は変わってくるのでしょう。
正対、側対のバランス
正対を選ぶか、側対を選ぶかは色々な要素に寄ると思います。
- 傾斜
- ホールドの位置
- ホールドの善し悪し
- 前後のつながり
- リーチや筋力の個人差
大抵は正対だろうとか、側対だろうとか、意見は一致すると思いますが、悩ましい場合に正対をとるか側対を取るかは、はっきり個人差が出やすい気がします。
右手、左手、右足、左足のバランス
傾斜、ホールドの位置、各ホールドの善し悪しによって、体重を負担するバランスが変わってくると思います。
それ自体は良いのですが、気をつけないといけないのは、利き手、利き足の体のバランスだと思います。
保持力が弱い側、動作が下手な側をカバーするために、強い側でカバーするようなムーブを繰り返すと、ムーブの選択に左右の非対称が生まれやすいです。
まとめ
クライミングは、判断の連続ですが、判断のバランスが崩れるといろいろな場所に影響が出やすいと感じます。例えば、
- 正対で引きつけて課題を落とした
- 似たような課題で同じようにムーブを選択するようになった
- 繰り返すうちにそのムーブでよく使う筋力がつき、より強化された
- 得意なムーブで落とせる幅が増えて、より正体で登るようになった
これを繰り返すと、数ヶ月でパワー&正対引きつけ型クライマーに近づいていくと思います。逆に、側対で美しく登る事に極端にこだわるのも、ムーブの幅を狭めてしまうでしょう。
結局は好きなように登って楽しめば良いと思いますし、登れたムーブが正しいムーブというのも間違ってないでしょうが、せっかくやるなら色々な課題を落として楽しみたいですよね。
失敗よりも、成功体験の方が実は厄介で、判断の偏りを加速させやすいです。
上手く登れた課題も、違うムーブで落とせないか試したり、他の人とセッションして自分の傾向を知り、試行錯誤することで偏りを減らす工夫をしていきたいですね。
こちらの方が遥かにしっかりした記事を書かれているのに気づきました。
リンクしておきます。