ソリューション、スクワマ、ハイアングル、ドラゴ、比較レビュー ハイエンド一本締めシューズ【クライミングシューズレビュー ボルダリング】
スポルティバ(La Sportiva)のソリューション、スクワマ、ファイブテン(Five Ten)のハイアングル、スカルパ(Scarpa)のドラゴ、いずれもトップ選手がよく使っているシューズです。ジムで使用している人も多いですね。
一通り履いて登ったのでレビューします。(ソリューションはリブートではない旧版で、ハイアングルは女性モデルです)
シューズの柔らかさ
クライミングシューズ全ての中では、どのシューズも柔らかめの類いですね。シューズ全体の柔らかさ、剛性の少なさ順で並べると、以下の感触でした。
- ドラゴ
- スクワマ
- ハイアングル
- ソリューション
靴底は、ハイアングルが一番硬めなのですが、ソリューションは足の拘束が強く、ランドやP3システムのラバーが効いて、最も全体の剛性が高いと感じます。
ドラゴとスクワマはどちらも柔らかいのですが、アッパーの拘束がドラゴの方が緩いため、シューズ全体も柔らかく感じます。
ハリボテの上でスメアするとき等は、ドラゴ、スクワマが使いやすく感じます。
立ちこみ時の拇指球のサポート
- ソリューション
- ハイアングル
- スクワマ
- ドラゴ
先ほどの剛性とは逆順です。
ドラゴはスリットが最も深くつま先近くまで入っているので、アッパーの拘束が少なめで、サポートも弱めです。
立ちこみの時に、足に力を入れずに楽に立てるのはソリューションだと感じます。リードやロングボルダー、体重が重めの人などに向いているのではないでしょうか。
つま先感覚の鋭さ
- ドラゴ、スクワマ
- ハイアングル
- ソリューション
ドラゴとスクワマはどちらも甲乙つけがたいです。つま先はかなり敏感で、ホールド形状の情報が良く伝わります。この敏感さを超えるのはノーエッジのシューズくらいでしょうか。
ハイアングルとソリューションはソールが他の二つよりは硬めで、感度は若干落ちます。
つま先の立ち上がり角(トゥボックスの厚み)
- スクワマ、ソリューション
- ドラゴ、ハイアングル
ソリューションやスクワマのように、トゥボックスに厚みがあってつま先がの立ち上がりの角度が急だと、つま先がしっかり曲がるので、立ちこむ時に力を入れやすいです。その代わり履き心地が悪くなることがあります。
ソリューションはつま先側のソールがシャープにできていて、指先に力を入れるのに特に適した構造です。
トゥボックスの厚み、つま先の立ち上がり角は指の形によって使いやすさが違うので、好みが分かれるでしょう。履き比べる時にしっかり確認した方が良いと思います。
ヒールの剛性
- ソリューション
- スクワマ
- ハイアングル
- ドラゴ
ヒールはソリューションが最も剛性が高く、半球型のカップになっています。
スクワマはサイドはカップになっていませんが、一体成形で剛性が高いです。
ハイアングルは、ドラゴよりもヒールの剛性は若干高く感じます。
ヒールの剛性が高いと、引っ掛けるようなヒールがやりやすく、尖ったホールドでも痛みが少ないです。ヒールが潰れてずれる感覚も減ります。ヒールが柔らかめのほうが、狭い隙間にねじ込んだり、ホールドの感触を感じやすくなります。
私は固めのほうが好きなのですが、好みによるところが大きそうです。
スリングショットによるヒールの拘束
ヒールの拘束感はヒールの深さ、高さ、ボリュームによるところが大きいので、完全に私の主観です。しっかり固定されたほうが、ズレが少なく、フィット感が向上します。
- スクワマ
- ソリューション
- ドラゴ
- ハイアングル
スクワマが最もかかとを締め付けて固定してくれると感じました。ヒールの完成度はスクワマが高いと思います。
ソリューションは半球のカップの剛性が高すぎて、スクワマよりはスリングショットの効きが若干甘いです。
ドラゴはスリングショットのテンションが若干弱めで、少しずれる感じがあります。
ハイアングルはモノリシックソールなので、構造上スリングショットのテンションを土踏まずに効かせにくいようです。ヒールの拘束感、フィット感が最も弱く感じました。
トゥフックのしやすさ
- スクワマ、ドラゴ
- ソリューション
- ハイアングル
スクワマ、ドラゴはシューズが柔らかく、足を反らせやすいのでどちらも非常に使いやすいです。
ソリューションは引っ掛ける感じでトゥフックを効かせるのに向いていると感じます。
ハイアングルは、摩擦でトゥフックを止める事はやりやすいのですが、引っかかりにくく感じました。
どのシューズも実用十分なのですが、トゥフックを多用する人はスクワマやドラゴがオススメです。
シューズのボリューム、横幅
どれも無難な範疇だとは思います。広め、ボリューム大きめの順に並べると以下の通りだと思います。
- スクワマ
- ドラゴ
- ソリューション
- ハイアングル
ドラゴはスクワマやソリューションよりもソールは細身です。しかし、アッパーに余裕があるので、ボリュームがある人にも対応できると思います。
ソリューションは幅は狭くないのですが、つま先がシャープなので、ハイアングルの方が余裕を感じるケースもあると思います。
まとめ
足型が合えば、どのシューズも素晴らしいと感じます。
私はジムでのボルダリングが圧倒的に多いので、楽にはけるドラゴをメインで使っていますが、クライミングの傾向が変わったとしたら違うシューズを選ぶと思います。
- スクワマ→ジム用、ヒールフック、トゥフック、スメアを多用する課題
- ドラゴ→ジム楽々シューズ、トゥフックとスメアを多用する課題
- ハイアングル→外岩のマイクロホールドに乗り込むのもスメアも好感触。外岩の比率が増えたらハイアングルにするかも。何気にオールラウンダー。
- ソリューション→リードなど長めのテクニカルなルートで使いたくなる。
シューズの特性を完全に把握して使いこなしたら、どのシューズでもいけるはず。
あれこれ使い分けたくなる私が使いこなせていないだけなのかもしれませんが、とりあえず自分のスタイルに合ったシューズを使いこなせるようになりたいと思ってます。