ボルダリング好きエンジニアの雑記帳

クライミング、ボルダリング、モノづくりについて情報が少ないなーと思った事を書いていきます。

スポルティバ 2019 新作はパイソンとテスタロッサのリニューアルを予定【クライミングシューズ ボルダリング】

発売からかなり経っているスポルティバ(La Sportiva)のパイソン(Python)とテスタロッサ(Testarossa)ですが、ついにリニューアルされるようですね。情報がブログと動画に上がっていたので紹介します。

どちらも根強いファンがいますので、どうなるか気になるところです。

 

パイソン2019年版

今までのオレンジに加えて、グリーンアップルが追加されるようです。デザインも一新され、トゥラバーやアッパーの伸縮素材が見える部分の形が変わっています。

ヒールも何やら説明が書かれていますが、詳しい事はよく分かりませんでした。

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コンペの世界向けと、最大の感度が要求される屋内の人工壁での使用のために設計されたPythonの新しいデザインです。


ヒールフックやリバース・ホールドに特に適しています。


Pythonは、ヒールフックの時に足を適切に拘束し、ヒールフックや極端な使い方でシューズが脱げることを防ぐVelcroストラップによる、革新的なクローズソリューションを使用したぴったりフィットするシューズです。


かかとの構造も革新的です:
シェル構造の利点を失う事無く、伝統的な構造のかかとでの感度も失わない、非常にグリップし、ぴったりフィットするラバーを使用しています。

トゥフック用に設計されたインサートのおかげで、非常にグリッピーなラバーが前面にも現れます。


 ソールはVibram Xs grip 2コンパウンドで最大限のグリップ性を実現しています。

Python, the reference point for competitions.

引用元:http://www.mountainblog.eu/product/la-sportiva-python-summer-2019/

※reference pointは、基準点、原点と言った意味ですので、コンペのためのシューズ全ての比較対象となる基準、スタンダードであると良いたいみたいです。)

 

翻訳は怪しいのでご了承ください。

動画はこちら。ポルトガル語で内容はイマイチよく分かりませんでした。

シューズの全体像が見れます。

 

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トゥのラバーに凹凸が入ってトゥフックがよく止まりそうな雰囲気に見えます。

パイソン使いの人は非常に気になりますよね。

 

 

テスタロッサ2019年版 

スポルティバの中でも異彩を放つテスタロッサ。つま先の剛性感と踏み心地は他のシューズには無い感触でしたが、リニューアルされるようです。

ぱっと見た感じでは、薄くて使いずらかったヒールに大きなてこ入れが入ったようです。見た目も黒と赤を基調としていて、大きく変わってますね。

 

 

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有名なTestarossaモデルの美点を再設計した、足を使って岩を感じる人々に捧げられたぴったりなクライミングシューズです。

合成素材と天然素材を完璧に組み合わせたこの靴は、快適性と技術性の間の理想的な妥協点です。

 つま先とかかとだけにライニングを使用し、中央部分はライニング無しにすることで、通気性と革の快適さと、ライニングありの靴の精度と耐久性と組み合わせることができます。

特許取得済みのエッジランディングシステムは、靴の機能に活発な役割を果たし、足底のテンションを徐々に分配します。

 非対称レーシングシステムは、内部のボリュームのカスタム調整を可能にします。

履物の前部のみにソールを配置する特有の構造システムは、アーチのより良いフィット感を可能にする一方、かかとはヒールフックの性能を向上させるように設計された最新の構造を採用する。

Testarossa, an instant classic。

引用元:http://www.mountainblog.eu/product/la-sportiva-testarossa-summer-2019/

※ instant classicは、直訳だとできてすぐに古典になるもの、というような感じです。将来、古典になるに違いないくらい素晴らしいと言いたいようです。

 

動画もありました。こちらは英語でしゃべってくれてます。

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やはり、真っ赤なヒールカップが目を引きます。今までの薄いヒールのゴムと比較すると、ヒールフックをかけても痛く無さそうですが、実物が気になるところです。

 

名前ははっきりしないけど使えるボルダリングのムーブ紹介【クライミング ボルダリング】

ライミングのムーブって、メジャーなものはそんなに多くはないですよね。

今回はそんな中で、特別な名前がついていないけれど使えそうなムーブ、英語だと名前がついているムーブなどを紹介してみます。

 

Bicycle (バイシクル)

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日本語の名前を私が知らないだけかもしれませんが、英語圏の人達はbicycleと言っていました。

片足はトゥフック、片足はつま先で踏んで挟み込んで止めます。たしかに自転車をこいでるときの足に似てますね。

これは強傾斜、特にルーフの必須ムーブで、決まれば安定感があります。レストにも便利です。

 

ダブルヒール?

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両足でヒールフックを決めて、がっちり固定する方法です。

動画のパターンは両足の高さが同じくらいですが、片足で体重を支えて、片足で振られ止めしたりとバリエーションがあります。

ヒール大好き人間なのでよく使うのですが、使わなくても解決できる場合も多いのでそんなに見ない気もします。体を固定できるので、なかなか便利です。

 

壁走り?


THE NORTH FACE CUP 2018 FINAL ROUND Women's Division 1

 

第1課題で、アンダーホールドを持って、壁を蹴りって突っ張りながら体を持ち上げています。ハンドホールドが良いと、壁に足を突っ張って両足をホールドから離す事ができます。

スメアリングなのですが、両足をホールドから離すという発想が、結構頭から抜け落ちる事があるので挙げてみました。

ジムだと、”ホールドが用意されているので、ホールドに足をのせるはず”と言う先入観でこのムーブが浮かばない事があるんですよね。

上手く使えば色々できるかも・・・

 

 Rock Over (動的な乗り込み?)

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 乗り込みは必須の基本動作といえばそうなのですが、定義が曖昧なような気がします。(私が不勉強なだけか?)

Rock Overは岩の上に乗り込むと言う意味なので、日本語と似たようなものらしいのですが、お前はRock Overがへたくそだから練習しろと言われた時に見せてもらったのが、動画の動的にスッと乗り込む動きでした。

ヨーロッパのクライマーは、スラブや垂壁のバランシーな動きが上手な人が多い気がしますが、どうやら動的にスッと立つムーブを(動画のようなハイステップに限らず)かなり意図的に練習しているようです。

外岩をやる人は自然と覚えるはずですが、ジムでも早いうちから練習しておくべきムーブですね。

 

Rose Move (遠いクロスムーブ)

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極端に遠い内側出しのクロスムーブをRose Moveと呼んでいるようです。思いっきり腕を伸ばして、支持手よりも頭が先に行くケースもあります。

必須の場面は限られますが、マッチができないポケットなどから、遠いホールドをどうしてもクロスで取らなければいけない時に使えるムーブです。手を交差させて届かなくても、あきらめずに頭を突っ込んでみると良い事があるかもしれません。

 

サイファー の名称について

サイファーは使う事も結構あると思いますが、あまり海外勢に通じない気がします。"pogo" (玩具のポゴスティック、ホッピングのこと)とか、"Moon kick"と言ってるようです。

また、アウトサイドフラッギングのフラッギングしている足を、動的に振り出しているというイメージでとらえている人もいて、上級者でも確立したムーブとして捉えていない人もいました。確かに、サイファーとは言わないまでも、アウトサイドフラッギングの足で少し弾みをつけたりはしますし、言われてみればそうだなーと感じました。

 

スポルティバ クライミングシューズの足型情報まとめ 【クライミングシューズ】

以前よりは他のメーカーのシューズを履いている人も増えましたが、今もスポルティバのシューズを履いている人をたくさん見ます。

レビュー記事などには足型情報とかが載っていますが、海外のスポルティバのサイトに公式情報がありましたので紹介します。

 

La Sportivaの足型情報

以下に、足型、ダウントゥ、ターンイン、ミッドソールなど、細かい情報の一覧があります。マーべリンクのソールがXSedgeとありますが、Grip2の間違いですね。

https://www.sportiva.com/media/wysiwyg/Product_Charts/ClimbingComparisonChart2017_lowres_Page_2.jpg

 

ぱっと見でボリュームの情報が分かりやすいのがこちら。

https://www.sportiva.com/media/wysiwyg/Product_Charts/ClimbingComparisonChart2017_lowres_Page_1.jpg

 

足のボリュームが大きい人は、テスタロッサジーニアス、スピードスター、ミウラVSあたりをすすめていますね。

 

ラスト(樹脂型)の情報

PD85 ターンインがかなりきつい

 

PD75 ターンインがあり

  • フューチュラ
  • ソリューション
  • オタキ
  • ミウ
  • ミウラVS
  • カタキ
  • スクワマ
  • マーベリンク

WPD75 PD75の女性向け ローボリューム版

  • ソリューション ウーマン
  • オタキ ウーマン
  • ミウラ ウーマン
  • ミウラVS ウーマン

PD55 ターンインはほどほど

  • TC Pro
  • カタナレース

RL45 ターンイン少なめ、フラット

  • タランチュラ
  • オクシジム

 

RN25 ターンインはほどほど、ダウントゥもきつくない

  • ミトス
  • ミトス ウーマン

 

テスタロッサジーニアス、カタナレース以外の主要なシューズはほとんど同じラストで作られています。

明らかにつま先のダウントゥ具合やボリューム感がが違う物もあるので、作り込みで差を付けているのでしょうか。ちょっと謎です。スポルティバの場合は、ラストが同じでも要注意だと思われます。

 

ミッドソールは、LaspoFlexなる物が入っているようです。

マーベリックはノーシャンクなので無し、スクワマは0.8mm、ソリューションウーマンは0.9mmで他の物よりも薄くなっています。柔らかさを出すためなのでしょう。

テスタロッサはつま先の硬さが特徴ですが、一つだけつま先に3D Hytrel Insertが入っていると言っています。Hytrelはデュポンの熱成形樹脂です。

 

毎年日本語でこの資料を作ってほしい・・・

ソリューション、スクワマ、ハイアングル、ドラゴ、比較レビュー ハイエンド一本締めシューズ【クライミングシューズレビュー ボルダリング】

スポルティバ(La Sportiva)のソリューション、スクワマ、ファイブテン(Five Ten)のハイアングル、スカルパ(Scarpa)のドラゴ、いずれもトップ選手がよく使っているシューズです。ジムで使用している人も多いですね。

一通り履いて登ったのでレビューします。(ソリューションはリブートではない旧版で、ハイアングルは女性モデルです)

 

 

 

 

シューズの柔らかさ

ライミングシューズ全ての中では、どのシューズも柔らかめの類いですね。シューズ全体の柔らかさ、剛性の少なさ順で並べると、以下の感触でした。

  1. ドラゴ
  2. スクワマ
  3. ハイアングル
  4. ソリューション

靴底は、ハイアングルが一番硬めなのですが、ソリューションは足の拘束が強く、ランドやP3システムのラバーが効いて、最も全体の剛性が高いと感じます。

ドラゴとスクワマはどちらも柔らかいのですが、アッパーの拘束がドラゴの方が緩いため、シューズ全体も柔らかく感じます。

 

ハリボテの上でスメアするとき等は、ドラゴ、スクワマが使いやすく感じます。

 

立ちこみ時の拇指球のサポート

  1. ソリューション
  2. ハイアングル
  3. スクワマ
  4. ドラゴ

先ほどの剛性とは逆順です。

ドラゴはスリットが最も深くつま先近くまで入っているので、アッパーの拘束が少なめで、サポートも弱めです。

立ちこみの時に、足に力を入れずに楽に立てるのはソリューションだと感じます。リードやロングボルダー、体重が重めの人などに向いているのではないでしょうか。

 

つま先感覚の鋭さ

  1. ドラゴ、スクワマ
  2. ハイアングル
  3. ソリューション

ドラゴとスクワマはどちらも甲乙つけがたいです。つま先はかなり敏感で、ホールド形状の情報が良く伝わります。この敏感さを超えるのはノーエッジのシューズくらいでしょうか。

ハイアングルとソリューションはソールが他の二つよりは硬めで、感度は若干落ちます。

 

つま先の立ち上がり角(トゥボックスの厚み)

  1. スクワマ、ソリューション
  2. ドラゴ、ハイアングル

ソリューションやスクワマのように、トゥボックスに厚みがあってつま先がの立ち上がりの角度が急だと、つま先がしっかり曲がるので、立ちこむ時に力を入れやすいです。その代わり履き心地が悪くなることがあります。

ソリューションはつま先側のソールがシャープにできていて、指先に力を入れるのに特に適した構造です。

トゥボックスの厚み、つま先の立ち上がり角は指の形によって使いやすさが違うので、好みが分かれるでしょう。履き比べる時にしっかり確認した方が良いと思います。

 

ヒールの剛性

  1. ソリューション
  2. スクワマ
  3. ハイアングル
  4. ドラゴ

ヒールはソリューションが最も剛性が高く、半球型のカップになっています。

スクワマはサイドはカップになっていませんが、一体成形で剛性が高いです。

ハイアングルは、ドラゴよりもヒールの剛性は若干高く感じます。

ヒールの剛性が高いと、引っ掛けるようなヒールがやりやすく、尖ったホールドでも痛みが少ないです。ヒールが潰れてずれる感覚も減ります。ヒールが柔らかめのほうが、狭い隙間にねじ込んだり、ホールドの感触を感じやすくなります。

 私は固めのほうが好きなのですが、好みによるところが大きそうです。

 

スリングショットによるヒールの拘束

ヒールの拘束感はヒールの深さ、高さ、ボリュームによるところが大きいので、完全に私の主観です。しっかり固定されたほうが、ズレが少なく、フィット感が向上します。

  1. スクワマ
  2. ソリューション
  3. ドラゴ
  4. ハイアングル

スクワマが最もかかとを締め付けて固定してくれると感じました。ヒールの完成度はスクワマが高いと思います。

ソリューションは半球のカップの剛性が高すぎて、スクワマよりはスリングショットの効きが若干甘いです。

ドラゴはスリングショットのテンションが若干弱めで、少しずれる感じがあります。

ハイアングルはモノリシックソールなので、構造上スリングショットのテンションを土踏まずに効かせにくいようです。ヒールの拘束感、フィット感が最も弱く感じました。

 

トゥフックのしやすさ

  1. スクワマ、ドラゴ
  2. ソリューション
  3. ハイアングル

スクワマ、ドラゴはシューズが柔らかく、足を反らせやすいのでどちらも非常に使いやすいです。

ソリューションは引っ掛ける感じでトゥフックを効かせるのに向いていると感じます。

ハイアングルは、摩擦でトゥフックを止める事はやりやすいのですが、引っかかりにくく感じました。

どのシューズも実用十分なのですが、トゥフックを多用する人はスクワマやドラゴがオススメです。

 

シューズのボリューム、横幅

どれも無難な範疇だとは思います。広め、ボリューム大きめの順に並べると以下の通りだと思います。

  1. スクワマ
  2. ドラゴ
  3. ソリューション
  4. ハイアングル

ドラゴはスクワマやソリューションよりもソールは細身です。しかし、アッパーに余裕があるので、ボリュームがある人にも対応できると思います。

ソリューションは幅は狭くないのですが、つま先がシャープなので、ハイアングルの方が余裕を感じるケースもあると思います。

 

まとめ

足型が合えば、どのシューズも素晴らしいと感じます。

私はジムでのボルダリングが圧倒的に多いので、楽にはけるドラゴをメインで使っていますが、クライミングの傾向が変わったとしたら違うシューズを選ぶと思います。

  • スクワマ→ジム用、ヒールフック、トゥフック、スメアを多用する課題
  • ドラゴ→ジム楽々シューズ、トゥフックとスメアを多用する課題
  • ハイアングル→外岩のマイクロホールドに乗り込むのもスメアも好感触。外岩の比率が増えたらハイアングルにするかも。何気にオールラウンダー。
  • ソリューション→リードなど長めのテクニカルなルートで使いたくなる。

シューズの特性を完全に把握して使いこなしたら、どのシューズでもいけるはず。

あれこれ使い分けたくなる私が使いこなせていないだけなのかもしれませんが、とりあえず自分のスタイルに合ったシューズを使いこなせるようになりたいと思ってます。

クライミングのムーブ、保持力、パワー、足置きなどのバランスについて【ボルダリング ムーブ トレーニング】

ライミングのどのレベルでも、ムーブ、保持力、体の筋力など、もっとこう動けたら良いのに!とか、あの人は自分と得意分野が違ってうらやましい!と思うことがあるはずです。

最近、自分と周りの人のムーブの選び方等を見ていて気づいた事を書きます。

ある程度、自分のムーブが安定してきた人向けです。

 

保持力とムーブと省エネのバランス

ちょっと当たり前ですけど、以下のような関係があると思います。

  • 同じ持ち方でも、保持力があると選択できるムーブが広がる。
  • ムーブを工夫すると、保持の負担を減らすことができる。
  • ムーブを工夫すると、省エネで登ることができる。

ここで注意が要るのは、保持の負担を減らすムーブが、必ずしも省エネとは限らない事です。

悪いホールドを持てるから省エネできているケースや、少し無理な姿勢で(前腕以外のパワーを使って)保持の負担を軽くするケースがあり得ると思います。

 

確実性と省エネのバランス

静的ムーブと動的ムーブは、確実性と直結しやすい話ですが、それだけだと安易ですよね。

  • 動的ムーブでさっさと登ると省エネの場合がある。
  • 静的ムーブでしっかり荷重コントロールをしたほうが省エネの場合がある。
  • 静的ムーブでじっくり登らないと失敗しやすい場合がある。
  • 悪すぎるホールドは、動的ムーブでさばいた方が確実性が増す場合がある。

これもケースバイケースですよね。確実なムーブが省エネとは限りませんし。

いつもバタバタしているのもどうかと思いますが、動的ムーブを極端に嫌うのももったいないと思います。

外岩をメインとするかどうか、リードとボルダーどちらがメインかでも、選択は変わってくるのでしょう。

 

正対、側対のバランス

正対を選ぶか、側対を選ぶかは色々な要素に寄ると思います。

  • 傾斜
  • ホールドの位置
  • ホールドの善し悪し
  • 前後のつながり
  • リーチや筋力の個人差

大抵は正対だろうとか、側対だろうとか、意見は一致すると思いますが、悩ましい場合に正対をとるか側対を取るかは、はっきり個人差が出やすい気がします。

 

右手、左手、右足、左足のバランス

傾斜、ホールドの位置、各ホールドの善し悪しによって、体重を負担するバランスが変わってくると思います。

それ自体は良いのですが、気をつけないといけないのは、利き手、利き足の体のバランスだと思います。

保持力が弱い側、動作が下手な側をカバーするために、強い側でカバーするようなムーブを繰り返すと、ムーブの選択に左右の非対称が生まれやすいです。

 

まとめ

ライミングは、判断の連続ですが、判断のバランスが崩れるといろいろな場所に影響が出やすいと感じます。例えば、

  1. 正対で引きつけて課題を落とした
  2. 似たような課題で同じようにムーブを選択するようになった
  3. 繰り返すうちにそのムーブでよく使う筋力がつき、より強化された
  4. 得意なムーブで落とせる幅が増えて、より正体で登るようになった

これを繰り返すと、数ヶ月でパワー&正対引きつけ型クライマーに近づいていくと思います。逆に、側対で美しく登る事に極端にこだわるのも、ムーブの幅を狭めてしまうでしょう。

 

結局は好きなように登って楽しめば良いと思いますし、登れたムーブが正しいムーブというのも間違ってないでしょうが、せっかくやるなら色々な課題を落として楽しみたいですよね。

 

失敗よりも、成功体験の方が実は厄介で、判断の偏りを加速させやすいです。

上手く登れた課題も、違うムーブで落とせないか試したり、他の人とセッションして自分の傾向を知り、試行錯誤することで偏りを減らす工夫をしていきたいですね。

 

こちらの方が遥かにしっかりした記事を書かれているのに気づきました。

リンクしておきます。

micki-pedia.com

クライミングシューズ 2018年新作モデルのトップ選手使用状況まとめ【クライミングシューズ ボルダリング リード】

IFSCのワールドカップを見ていてると、2018年モデルのクライミングシューズを使い始めるトップクラスの選手が出てきています。

動画を見ていて気がついた物から紹介していきます。

 

スポルティバ(Sportiva) 

ソリューション リブート(Solution Reboot)

 

ソリューションが前より柔らかめになり、スメアなどの使い勝手が向上しているとのことです。

前のソリューションは、リードでの使用選手が比較的多かったので、リードが始まるともっと見られるようになるかもしれません。

 

使用選手

  • Adam Ondra (CZE)
  • 田中修太(JPN)
  • チョン・ジョンウォン(KOR) 泰安でリブートを使用、八王子は旧ソリューションを使用
  • Sascha Lehmann (SUI)

 

ソリューション ウーマン リブート(Solution Woman Reboot)

 

ソリューションウーマンの新モデル。

 

使用選手

  • 伊藤ふたば(JPN)
  • Kim Jain(KOR)

 

スクワマ ウーマン(Skwama Woman)

 

 

スクワマの女性モデルです。

ローボリュームになっているとの事で、男性でもスクワマが大きすぎて使いずらかった人は、試す価値があるでしょう。

スクワマを使用していた女性選手を中心に、使用者が増えそうですね。

 

使用選手

  • 野口啓代(JPN)

 

フューチュラ リブート (Futura Reboot)

 

ノーエッジタイプのシューズです。

トゥの形状と、ヒールの形状、ヒールのスリングショットに変更が加えられたとのことです。

黄色くなったスリングショットが目立ちますね。

 

使用選手

  • 杉本怜(JPN)
  • 原田海(JPN)

 

スカルパ(Scarpa) 

フューリアS(Furia S)

 

フューリアのラインとして発売されていますが、かなり別ものになっています。

柔らかシューズであることは変わりませんが、ストラップシステムでドラゴよりもアッパーを締める事ができるようになっていますね。 

スカルパはドラゴ全盛ですが、こちらを使う選手も出てきました。

 

使用選手

  • Michaela Tracy(GBR)
  • Stasa Gejo(SRB)
  • Sol SA(KOR)

 

レビュー記事を書きました。

sphendon.hatenablog.jp

 

ファイブテン(Five Ten) 

アナサジプロ WMS (Anasazi Pro WMS

 

 

ファイブテンの名作アナサジにトゥラバーを追加し、フラットよりの二本ベルクロにトゥラバーが張ってある珍しいシューズに仕上がっています。

ショウナ・コクシー選手は、元々アナサジベルクロWMSにトゥラバーを貼ったシューズを使用していましたが、自ら監修したというアナサジプロを使い始めています。

 

使用選手

  • ショウナ・コクシー(GBR)

 

 

おまけ

相変わらず、欧州勢を中心にドラゴの比率は高いですね。

2018年モデルではないので余談ですが、白石阿島選手がEvolvのShakraを使ってましたね。ベルギーのAnak Verhoeven選手はトゥラバーカスタム付きのテスタロッサですし、リードを得意とする選手は、比較的しっかりしたシューズを選択しているケースも見られます。

 

ボルダリングの持久力向上には長物課題がおすすめ【クライミング ボルダリング トレーニング】

ボルダリングをやっていて、持久力やレスト技術はすごく大事だなーと感じることがあります。

ボルダリングで持久力をつけるために効果的な、長物課題トレーニングを紹介します。

 

リードやトップロープは、ルートが長いので持久力を着けるのに向いていますが、そもそもボルダリングしかしない人、ビレイパートナーが安定して確保できない人もいると思います。

そういう人には、長物課題がおすすめです。

 

長物課題って何?

数十手の長さがあるような、かなり手数の多い課題です。普通の課題は長くても10手程度ですが、それと比べるとかなり長い時間壁に張り付いていなければいけません。

スタートとゴールと使ってよいホールドだけではなく、使うホールドの順番が決められているのが普通です。

ジムによっては長物の表示があるところもありますし、ファイル課題などで書かれている場合もあります。

 

長物課題練習の効果

・持久力アップ

持久力が上がると、ホールドの上で耐えていられる時間が長くなり、手数の長い課題を落としやすくなります。

また、迷っているうちに力尽きる事が減るため、課題を一撃で落とせる確率が高くなります。

 

・レスト技術の上達

上手にレストして、腕のパンプを押さえないと長物でゴールする事は難しいです。

体勢を安定させて、きつくなる前に腕を下げて休ませ、パンプを防ぎながら登る事を意識すると良いです。一手ごとに左右をレストさせつつ登るのも効果的です。

 

・疲れた状態でムーブを起こす力の上達

核心を乗り越えて疲れた状態だと、普段はできるはずのムーブでも失敗する事が増えます。後一歩でゴール落ちするとものすごく悔しいですよね。

疲れた状態でムーブを起こす訓練をしておくと、その状態で自分がどんな動きができるのか分かるようになります。

単純な筋持久力だけでなく、課題をフィニッシュしきる技術も磨く事ができます。

 

・ホールドを探る能力の上達

どんなにオブザベーションをしっかりしても、触ってみないと分からないホールドというのはあります。

体勢を安定させて、ホールドを探りながら持ち方を考えるのはスタミナを消耗します。登りながらホールドを探る能力の上達が期待できます。

 

・横方向、下方向の動きの上達

横方向にトラバースしたり、下方向にクライムダウンする動きは、ジムの課題だと練習が不足しがちです。

長物では、壁一面のホールドを使用する事が多いので、横移動や下移動が沢山出てきます。

 

 

長物課題は簡単に自作できる

上手い人のアップの風景を見ていると、即興で課題を作って適当に長い課題をやっている人もいます。実は、つかみやすいホールドを選んでつなげると、長物を覚えるよりも簡単だったりします。

例えば、自分が落とした課題で使われていた持ちやすいホールドの目星を付けて、壁を一周ぐるっと回るコースがあるか考えてみて、まずはトライしてみましょう。

案外簡単に即興で登れたりします。

 

おすすめのルートは、八の字を描くか、逆走で2週目を回る事です。丸を描くと、右側から登って左側から降りるというように、方向が固定されてしまいます。

簡単なホールドから始めて、途中に苦手なホールドや、課題で使用されていないホールドを組み入れたりしながら練習するとさらに効果的です。

 

まとめ

いかがでしょうか。

ジムのテープ課題で少しでも上のレベルを目指してガンガントライするだけだと、頭打ちになったなーと思う段階が来ると思います。

トレーニングにバリエーションを持たせると、総合的にクライミング能力の底上げがはかれますので、長物も練習に組み入れる事を強くお勧めします。