ボルダリング好きエンジニアの雑記帳

クライミング、ボルダリング、モノづくりについて情報が少ないなーと思った事を書いていきます。

ブラックダイヤモンド ATC パイロットのレビュー【クライミング】

ブラックダイヤモンドのブレーキアシスト機能付きビレイでバイスATCパイロット(Black Diamond ATC pilot)を使用する機会があったのでレビューします。

 

ATCパイロットの紹介

 

Black Diamond(ブラックダイヤモンド) ATCパイロット BD14020 ブラック

 

商品紹介サイトを貼っときます。(手抜き)

www.lostarrow.co.jp

 

 

メリットと使った感想

私の場合は、ジムでのビレイか、シングルピッチのボルトルートに限っての使用になります。マルチピッチでは元々使えず、ロープを自分の意志通りに流せないので、カムやナッツ、ナチュラルプロテクションの対応に不安があるからです。

 

用途は限定されますが、メリットも大きいと感じます。

基本的には、ブレーキアシスト機能に頼らなくても大丈夫なようにビレイをするべきです。

ですが、ジムなどビレイの回数が多い場面で、何千回もビレイして絶対に一度もミスをしないか?と問われた時に、やはりブレーキアシスト機能があった方が良いと思います。

 

また、他のセミロック式のオートビレイでバイスは、副作用として繰り出し時に引っかかる物が多いのですが、ATCパイロットは比較的繰り出し時の引っかかりが少ないと感じます。

今まで触ったロック機能付きのビレイデバイスの中では、最も直感的に操作しやすかったです。

 

カラビナとの相性

 ベーシックカラビナや、ロック機構がATCパイロットに引っかかって制動が効かなくなるタイプは禁止で、HMSを使用するというのはまあよく分かる制約ですね。

ビッグエアパイロットパッケージで、カラビナとセットになって売っています。

ロープとの相性試験も一番手厚く行われていると思われますし、カラビナが不意にひっくり返ったりしないロック機構は、ATCパイロットを使う上では合理的です。

多少値段は上がりますが、併せてセットで買うのが無難でしょう。

Black Diamond(ブラックダイヤモンド) ビッグエアーパイロット パッケージ BD14025

Black Diamond(ブラックダイヤモンド) ビッグエアーパイロット パッケージ BD14025

 

 

初心者向きかどうか

初心者の1つ目に進めている人もいますが、条件付きだと思います。

  • 教えてくれている人が、同タイプのビレイデバイスの使い方を知っている事。
  • マルチピッチ、アルパイン、懸垂下降、クラック、アルパイン等の場面は当面無いか、必要になったら買い直す気がある事。

ビレイの技術は、初めてでも、正しいやり方をちゃんと予習して、理解してから実地で教えてもらう必要があります。

そんな中で、周りで誰も使っていないデバイスを使う場合は特に、自分で勉強して、自分で練習して、実地でのリスクもふまえて使いこなす責任があります。

上級者でも、習熟度、実績などからビレイデバイスに関しては保守的な人も多いため、このタイプのビレイデバイスを触った事が無い人も一定数いると思われます。

初心者は教えてくれている人が使った事が無い場合は、最初はおすすめできないです。

 

また、ATCパイロットでは、マルチ、アルパイン、懸垂下降はできませんし、クラックでは前に書いた通り、弱いプロテクションの場合にロープを意図的に流して墜落の衝撃を和らげる事が難しいです。

こういった用途で使用する場合は素直にATCガイドなどを選ぶほうが無難だと思います。

 

 

Black Diamond(ブラックダイヤモンド) ATCパイロット BD14020 ブラック

Black Diamond(ブラックダイヤモンド) ATCパイロット BD14020 ブラック

 

 

 

 

Black Diamond(ブラックダイヤモンド) ATCガイド BD14014 ブラック

Black Diamond(ブラックダイヤモンド) ATCガイド BD14014 ブラック

 

 

おすすめクライミングシューズのサイズ感とレビュー一覧【クライミングシューズ ボルダリング】

個人的に、今まで履いてきたクライミングシューズのサイズと、これまで書いたレビュー記事をまとめました。

結構意見は偏っていますが、参考になれば幸いです。

 

 

 

レビュー記事一覧

 

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sphendon.hatenablog.jp

 

 

使用シューズとサイズ一覧

足のサイズは素足で25.3cm、甲は低めで、幅は普通か日本人としてはやや細めです。

指の長さは並み程度で、やや人差し指が長め、エジプト型に近いギリシャ型です。

あまり攻めずに履くのが好きで、柔らかシューズ好きです。

気に入って主力で使ったことがあり、リピートしたシューズには◎をつけました。 

 

スポルティバ
  • スクワマ◎ EUR38
  • ソリューション◎ EUR38
  • (ソリューション リブート EUR38 試し履きのみ)
  • カタナ EUR38
  • コブラ EUR37 (伸びる前提、最初はきつめ)
  • パイソン◎ EUR37 (伸びる前提、最初はきつめ)
  • マーベリック◎ EUR38
  • ミウラ◎ EUR37h
  • ミウラVS EUR37h
  • ミウラウーマン EUR37h
  • フューチュラ EUR38
  • ジーニアス EUR38
ファイブテン
  • アナサジベルクロ◎ US7〜7h
  • アナサジレース◎ US7〜7h
  • アナサジアローヘッド US7h
  • ブラックウィング US8
  • ホーネット US8
  • ドラゴン US8
  • ハイアングル◎ US8
スカルパ
  • インスティンクトVS EUR39〜39h
  • ドラゴ◎ EUR39h〜40
  • ブースターS EUR39h
  • フューリアS EUR39h〜40

マッドロック

  •  シャーク2.0 US7
  • アガマ US7
  • フラッシュ US7

 

 

貰い物もあるにしても、何故こんなにたくさん消耗しているのか…

 スカルパ、マッドロックは比較的サイズが安定していますが、スポルティバとファイブテンはモデルによってかなり変わっています。

この中では、スポルティバが同じサイズ表記でも作りが大きめで、サイズが小さいものが合うと感じます。スポルティバから他社に乗り換えるときは、攻めすぎに注意です。

 

ライミングシューズ分解記事

ライミングシューズを愛するあまり分解しています。誰得の分解情報です。

 

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その他クライミングシューズ関連記事

 

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スカルパのクライミングシューズの足型まとめ【クライミングシューズ ボルダリング】

クライマーにとって、クライミングシューズに足が合うかどうかは切実な問題ですよね。

痛いからサイズを上げればよいかというと、そうもいかない。

スカルパのサイトに足が合うかどうかを大きく左右する、ラスト(木型)の情報があったのでまとめました。

 

そもそもラストって何?

シューズを製造するとき、昔は木型、今は樹脂型をベースにして、アッパーの形を決め、ソールなどの構造を作り込んでいきます。

ラストはシューズの内側の空間の形を決めるので、足が合うかどうかに与える影響がとても大きいです。

ライミングシューズの場合、ラストの形状の違いによって、機能性も大きな影響を受けることになります。

足に合うかどうかは、シューズの硬さ、ラバーの貼り方、レースアップかベルクロかなどにも左右されますが、足が合うシューズとラストが同じだとそのシューズも合うケースが多いです。

 

スカルパのラストの種類とシューズ


ED フォースV WMS、ベロシティV WMS

FF フォースV、インスティンクトJ、ヘリックス、ヘリックスWMS、ベロシティV

FN テクノX

FNW テクノX WMS

FH マーゴ

FR ベイパーV、ベイパーXSGE

FRW ベイパーV WMS、ベイパーXSGE WMS

FV インスティンクトレース、インスティンクトVS、インスティンクトVSR、インスティンクトSR

FY マエストロ、マエストロWMS、マエストロミッド

FZ ドラゴ、フューリアS、キメラ、ブースターS、ブースティック

 

2018年新作のマエストロは、新たにラストを起こしていますね。どんな形か気になるところです。

足がいまいちが合わない場合も、女性向けでラストが違うものもありますし、ラストが変わるようにシューズを履き比べると、同じメーカーのシューズでも履き心地が変わって、合うものが見つかるかもしれません。

 

スカルパ フューリアS レビュー(2018年新作モデル )【クライミングシューズ ボルダリング】

 

スカルパ フューリアS (Scarpa Furia S)を購入しました。ドラゴと比較しながら登ったのでレビューします。

 

 

特徴

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 フューリア無印やドラゴの路線を引き継いで、基本的にはかなり柔らかい系統のシューズです。

ソールも定番のVibram XS Grip2で厚さは3.5mmと、薄めで足裏感覚重視となっています。

 

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ダウントゥ、ターンインはドラゴと同様にキツめですが、シューズ自体が柔らかいので変形しやすく、履きやすい部類ですね。

スポルティバやテナヤで採用されているストラップでアッパーを絞めるシステムが、スカルパでは初めて採用されています。

 

 

スカルパのシューズの設計思想はスポルティバと違って、アッパーのレザーやマイクロファイバー生地には荷重を負担させない傾向が強いようです。

堅実な作りで、アッパーが伸びて緩くなったり、攻めすぎて壊れたりしたことがないのですが、フューリアSもその思想を受け継いでいるようです。

荷重はラバー、ストラップ、ナイロンテープなど、しっかりした部材で負担していて、アッパー素材は柔らかいですが、シューズの構造の作り込みは相変わらずしっかりしています。

 

ドラゴとの主な違い

フューリア無印と比較すべきかも知れませんが、ドラゴしか持っていないので、ドラゴと比較します。

 

アッパー

 

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ストラップシステムで、アッパーの拘束が強まっています。

ドラゴの特徴の一つは、柔らかさとアッパーの拘束の緩さから来る自在性ですが、立ち込みやヒールカップの固定を考えると弱点でもあります。キメラの方がアッパーの拘束が強くて、ヒールフックや立ち込みに向いていましたが、フューリアSでは両立させるバランスを狙っているようです。

 

ドラゴは、つま先が曲がったときにアッパーが横に伸びて力が抜けます。フューリアSはストラップが、横に伸びやすい部分を止めています。

 

トゥを反らせる自在性は若干ドラゴより劣りますが、履いたときのサポートを強めて剛性感を出し、使い勝手のバランスを向上させています。

 

ストラップシステム

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ドラゴのベルクロとは、スリングに引っ張られるナイロンテープの位置が違います。

ダイレクトに土踏まずを持ち上げる方向になり、フィット感の向上に一役買っています。

ヒールカップを固定するナイロンはドラゴと似ています。これは、スポルティバのソリューションのように、良い角度で力が負担できる方向です。

ストラップは幅が広めで、他社の欠点を学んで切れにくい工夫を入れているようですが、耐久性を判断するのはこれからですね。

 

ソール

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アウターソールの厚みは同じです。ミッドソールがつま先に入ってつま先の剛性を上げているのも同じでした。アッパーの剛性が上がっている分、若干ドラゴより立ち込みやすいです。

IPRシステムと名付けられた、つま先からヒールを繋げ、力を伝える構造が採用されています。セパレートタイプのシューズは、かかとにかかる体重をつま先に伝える事が難しいため各社工夫をこらしていますが、これもその一つなのでしょう。新しい構造は耐久性が気になるところですが、体重を支えるには理にかなっています。

 

ヒール

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IPRシステムのトゥからヒールまでつながる青いラバーが目立ちます。

ヒールの形は前のフューリアの路線に近そうです。

ヒールのソールは細くなっていて初代フューリアを思い出しますね。側面を包むラバーが厚くなったので、ヒールをかける部分の履いた状態での剛性はドラゴよりは上がったように感じます。ただ、柔らかめであることには変わりないので、スポルティバのsヒールのような硬いヒールが好みの人には合わないかもしれません。

 

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ヒールループは土踏まず側のゴムの広がりが小さくなり、細くなっていて、キメラに近いヒールループ形状になっています。あえて細くする事でゴムの可動域が広がり、土踏まずとかかとの骨を固定する力が強くなっています。ゴムのテンションそのものも上がっていて、ヒールのフィット感が向上しています。ストラップを締めなくても、かかとに食いついてきます。

ヒールのフィット感はスポルティバの、特にパイソンに近づいているように感じました。とても良いです。

 アッパーの拘束が強まったため、ヒールにかかる力がアッパー側に逃げにくいこともあり、全体的にヒールの完成度はドラゴより向上しているように感じました。同系統のキメラと比較すると、樹脂が入ったキメラのほうが硬いです。

Instinct VSと比較すると、ソールが柔らかいので、個人的にはInstinct VSのヒールの方が好きです。

ただ、正直ヒールの好みは難しいところなので、ヒールフックが上手い人の意見を聞いてみたいところです。

 

サイズ、足型

シューズの外観のターンイン、ダウントゥはほぼ同等と感じました。ラストもScarpaのHPにドラゴやキメラと同じFZとあるので、同一のようです。しかし、トゥも含め全体の剛性が変化していますので、足を入れた感覚は若干違いを感じました。

指先のアッパーラバーの穴は面積が増えて、指関節が偏って当たる人でも痛みを和らげる工夫がしてあります。

シューズのサイズは、素足が25.3cm、甲は高くない足でドラゴを39h〜40で履いていましたが、同じ感覚でした。ジム用に緩めに買ったので40ですが、素足の本気用だと39hがよさそうでした。柔らかいのでその気になればもっと攻められはします。

ドラゴをゆるゆるで履いていた人は、フューリアSの良さを活かすために実際に足を入れて拘束感を調整した方が良いでしょう。

 

他のシューズとのサイズ比較は、別記事に書いています。

 

sphendon.hatenablog.jp

 

スカルパの足型、ラストについては、以下の記事に書きました。

 

sphendon.hatenablog.jp

 

 

全体

基本的には柔らかめのシューズですが、ドラゴよりは拘束感が強めになり、立ち込みやカキコミはしやすくなっています。ヒールの完成度も上がり、よりバランスの良いシューズに仕上がっていると思います。

ドラゴが合っている人は、一度浮気をしてみるのもありかと。

 ドラゴの自由度をとるか、フューリアSのバランスの良さと完成度をとるか悩ましいですが、オールラウンドに使えそうです。コンペシーンなどでも活躍できる実力のあるクライミングシューズに仕上がっていると予想します。

値段も2万円を切っていますし、これは流行りそうですね。

IFSCライミングワールドカップ で、Stasa Gejo選手やMichaera Tracy選手が使ってました。

 

 

 

クライミングシューズのビブラムソールとステルスソールの硬さを調べてみた【クライミングシューズ ボルダリング】

ライミングシューズの靴底のゴム(ソール)は、ホールドをとらえるための摩擦、立ちこみやすい硬さ、耐久性などが高いレベルで求められます。

メーカー各社は、それぞれのシューズに合ったソールを選んで使用しています。摩擦はすごく重要なのですが、データが無いので比較は今回はあきらめました。

柔らかめのソールはダイレクトに足裏の感覚が伝わりやすく、硬めのソールは外岩などの小さなホールドに乗るときに、変形しすぎで負けたりしにくくなります。

 シューズの構造にも影響があり、柔らかい方がしなやかに曲がってホールドに沿いやすく、硬いほうが変形が少ないので体重を支えやすいです。

 

ソールの硬さ比較

単位はShore A硬度です。数字が大きいほど硬いと思ってもらえばとりあえずOKです。

90だと野球の硬式球、70だと軟式球、50だと消しゴムくらいの硬さと言われます。

値に幅がある物は、中央値をとりました。硬い順に並べています。

  • 5.10 Stealth Onyxx 84
  • Evolv Trexx T5 79
  • Vibram XS Edge  78
  • 5.10 Stealth C4 78
  • Madrock MadRubber 76
  • Vibram XS Grip2 74
  • Vibram XS Grip 70
  • 5.10 Stealth Hf 68
  • 5.10 Stealth Mi6 55.5

廃盤になってしまったOnyxxはかなり硬い印象でしたが、やはり一番硬かったです。逆に、Mi6ラバーはぶっ飛んだ柔らかさですね。

Five Tenは、硬式球に近い硬さから消しゴムに近い柔らかさまで、かなり幅広く網羅していたことになります。

逆にVibramソールは、78から70の間に収まっていて、硬さから言えば無難な範囲なのでしょう。Grip2とGripだと、Grip2のほうが粘る印象で、柔らかさ以外にGripを採用する理由は無い気がします。

個人的にはC4がもっと柔らかい気がするんですが、大変形に対する強さは別ですし、温度も影響しますから、なんとも言えませんね。

 

リソールについて

シューズのリソールをするときは、元と同じソールにするのが基本と言われますが、フリクションが効くと言われるStealthを試したくなる事もあります。しかし、大きくソールの硬さが変わると、シューズの剛性、足のサポートのバランスを崩す事にもなります。

Vibram→Stealthにする人が結構いるようですので、どの組み合わせが無難な硬さか考えると、以下の感じでしょうか。

  • Vibram XS Edge とStealth C4、Evolv ならTrax T5
  • Vibram XS GripとStealth Hf
  • Vibram XS Grip2は、Stealth C4とHfの中間くらいで、どちらに変えても少し硬さの感覚は変わってしまう。

 

あえてソールの硬さを変えて、自分好みのバランスを考えるのもリソールの楽しみの一つですし、Shore A硬度が近いだけではバランスが崩れないとも言えませんが、参考にしてもらえれば幸いです。

XS Gripを使っているテナヤのオアシとかをStealth Hfにしたらどうなるんだろう・・・

 

ソールの材料

ソールの材料となるコンパウンドが、どの種類のゴムなのかは、情報が出てきませんでした。

 

推奨の接着剤からの予想ですが、Vibramのソールにはウレタンゴムが含まれていて、Stealthはウレタンは含まれていないようです。

ウレタンゴムは、摩耗、引裂強さなどの機械強度が高く、Vibramのソールは摩耗のしにくさや引裂き強度を重視してあるようです。また、ウレタンゴムは比較的水に弱いです。老化防止剤でかなり改善しますが、湿った状態で置き続けるのは避けたほうが良いでしょう。

Stealthは原料は分からないのですが、リソールキット付属の接着剤はウレタンゴムの接着に向かないタイプです。履物などによく使われるNR、NBR、BRなどに近いとすると、添加剤などの研究が進んでいるゴムなので、粘りを出しやすいのかも知れません。

 

実際は、添加剤や加硫の条件でかなり性質が変わりますが、使っている原料ゴムのそもそもの組成が違えば、使ったときの印象が違ってくるのも納得ですね。

 

ちなみに、セルフリソール派の人がVibram XS系を使用する場合、ウレタンゴムが接着できる接着剤を使わないと、くっつきにくい可能性が高いのでご注意ください。

ボルダリング上級者に、使用シューズを聞いてみた【クライミングシューズ ボルダリング】

ライミングシューズも2足目、3足目となると、色々目移りします。トップ選手のクライミングシューズも気になりますが、もうちょっと身近な強い人たちがどんな考えでシューズを選んでいるかも気になるところです。私の周りの強いと思うクライマー9人に、使っているシューズを聞いてみました。

2〜3段を落としたことがあり、苦手系以外はコンスタントに1級を落としている人たちです。今回はボルダラーがメインです。

 

1人目.

インスティンクトVS(ジム、外岩)

インスティンクトVSR(ジム、外岩)

基本インスティンクトVSで全てをこなしているそうです。VSではじかれる時や、つるつるの岩の時にVSRを使っているとのことです。VSをリソールした時に、XSGrip2にすることもあり、その場合はVSRと同じ扱いで使っているようです。

 

2人目.

ドラゴ(ジム、外岩)

ミウラ(外岩)

外岩は定番のミウラ、ジムはドラゴで登っているそうです。最近は、外岩でもドラゴを使う事が増えたそうです。

 

3人目.

スクワマ(ジム、外岩)

オタキ(外岩)

スクワマでほぼ全てをこなす人です。

硬めのオタキの出番は、外岩で粒に乗るときやリード、XSGrip2だと消耗が激しそうな時だそうです。スクワマとオタキは、硬さがは違うけど形が近いので良い組み合わせだそうです。

 

4人目.

ドラゴ(ジム、外岩)

インスティンクトレース(ジム、外岩)

スメアとジムでの楽々シューズとして柔らかめのドラゴ、エッジングと ヒールフックはしっかりしたインスティンクトレース。

 

5人目.

コブラ(ジム、外岩)

パイソン(ジム、外岩)

ソリューション(ジム、外岩)

ミウラ(外岩)

ジムでは気軽にはけるコブラ、外岩ではミウラがメインとのことです。パイソンは強傾斜の主力で、ソリューションはぎりぎりで足を残したい時や、ヒールフックで重宝するとの事。

 

6人前.

ハイアングル(全て)

ハイアングルで全てをこなしている人です。ハイアングルを何足も持っています。

ハイアングル大好きのこの方に言わせると、サイズが分かってしまえばシンセティックよりレザーの方が良いよとのことです。

 

7人目

ジーニアス(ジム・外岩)

ミウラ(外岩)

ジーニアスでいろいろこなす人です。花崗岩などを登るときなどはミウラを使っているそうです。

 

8人目

フューリア(ジム)

ブースターS(外岩)

ジムでは柔らかめのフューリア、外では粒に立ちこむためにブースターを主に使っているそうです。上手くいかない課題があった時、シューズを変えて試すくらいで、基本的にはっきり使い分けているそうです。

 

9人目

キメラ(ジム、外岩)

 ボルダリングはキメラ一足でこなしているとのことでした。紐を締めればドラゴよりも立ち込みやすく、ジムでも使いやすい程度に柔軟性もあるので重宝しているらしいです。

 

実例の方が役に立つかと思い、まとめてみました。

近いコミュニティにいる人たちなので、結構偏りがありそうですから、参考程度にしかなりませんが。

使用割合は様々ですが、外岩とジム、エッジングとスメアリングで使い分けている人が多かったです。この辺りは、オーソドックスな使い分けですね。オールラウンド系のシューズ一足で両方こなすひともいました。

印象的だったのが、最近は柔らかいシューズやダウントゥシューズでもヒールフックの性能が上がっていて、ヒールフックのためだけにレースアップのシューズを使う事が少なくなったという話でした。

足をしっかり拘束した方がヒールフック時に脱げにくいですし、ヒールカップのフィット感が上がるので、やはりレースアップのほうが良さそうに見えますが、最近のオールラウンドなシューズの進歩の恩恵を受けているのでしょうね。

 

SCARPA DRAGO (スカルパ ドラゴ) (38)

SCARPA DRAGO (スカルパ ドラゴ) (38)

 

 

アダム・オンドラ選手使用クライミングシューズまとめ【外岩 ボルダリング リード】

世界最強クライマーと言えば、あの絶叫系クライマー、チェコのアダム・オンドラ選手を挙げる人も多いでしょう。外岩でもワールドカップ、世界選手権でも凄まじい結果を残しています。

そんなオンドラ先輩ですが、ルートによって色々なクライミングシューズを使い分けることでも有名です。スポルティバと契約しているので、シューズはスポルティバですね。

オンドラ先輩が履いていたシューズをまとめてみました。

 

外岩で履いていたシューズ

()は、シューズを使っていた主なルート。

 

ミウ

(Silence 5.15d 左足、Golpe de Estado 5.15b)

LA SPORTIVA(ラ・スポルティバ) ミウラ (40EU)【正規品】

 

ミウラXXプロトタイプ 実際の外見はミウ

(Change 5.15c)

LA SPORTIVA(スポルティバ) ミウラXX 10Z 35

 

ソリューション

(Silence 5.15d 右足、Super Crackinette 5.15a)

SPORTIVA (スポルティバ) ソリューション White/Yellow 199WY 40          [並行輸入品]

 スクワマ(Robin Ud 5.15a)

SPORTIVA(スポルティバ) スクワマ 10S ブラック×イエロー 39H(39.5)

 

フューチュラ

(Vasil Vasil 5.15c、Gioia V16、Terranova V16 左足

LA SPORTIVA(ラ・スポルティバ) Futura(フューチュラ)/38.5 10E

 

ミウラVS

(Lapsus 5.15b、Terranova V16 右足)

(ラスポルティバ) La Sportiva メンズ クライミング シューズ・靴 Miura VS Shoe [並行輸入品]

 

ミウラVSウーマン

(Frankenjuraのどこか 5.14c)

(ラスポルティバ) La Sportiva レディース クライミング シューズ・靴 Miura VS Climbing Shoe [並行輸入品]

 

パイソン

(C.R.S. 5.15b、Jade V14)

SPORTIVA(スポルティバ) パイソン 39.0

 

カタナレース

(Dawn Wall 5.14d)

 

スピードスター

(Move 5.15b)

  

※プロトタイプはもっと混ざっているかもしれませんが、ミウラXXのプロトタイプしか確認できませんでした。 

 

コンペで履いていたシューズ

スクワマ

ソリューション

パイソン

ミウ

スピードスター

 

おかしい・・・明らかにバリエーションが多い。調べ始めたのを後悔しました。しかも、超高難度ルートで使っているので、どう考えても使いこなしています。

 

面白いのは左右の履き分けですね。Silenceでは、強傾斜のために柔らかめでダウントゥのソリューションを、クラックのフットジャムのためにミウラを選んだとのことです。

 

オンドラ先輩にかかると、レジェンドシューズが大量に生まれます。 これだけ履いてくれていると、オンドラ先輩も使ってたんだよと言えるシューズがいっぱいあります。

色々なシューズを使いこなす能力も、非常に高いということなのでしょうね。